Toggle

辛旨トーク

グレーゾーンビジネスはベンチャービジネスの原点でもある

今やポイントカードビジネスの一方の雄であるT-POINTカードの世話になっていない人は居ない。コンビニでもドラッグストアでもガソリンドスタンドでも世話にならない日は無い位だ。この胴元は言わずと知れたレンタルビデオ最王手TSTAYAを経営するCCC(カルチャーコンビニエンスクラブ)である。TSTAYAは創業者で天才的経営者、増田オーナーの元で急成長を遂げた。元々は京阪枚方駅で数店舗のレンタルビデオ店を経営していた市井の会社であったが、T-POINTカードの原点でもあるADAMSという顧客管理組織とRENTRACKという配収システムの2本の柱の元に他のレンタルビデオ店と比較にならない程の独占的レンタルビデオ店チェーンになった訳だ。しかし創業時は未だ社会的に認知されないベンチャービジネス レンタルビデオという業態に対して著作権法という法律と時代について行けない行政の締め付けの元にグレーゾーンビジネスとして苦闘の時期を経験している。このTSTAYAが創業当初模倣したのがアメリカ最王手のレンタルビデオ店BLOCKBUSTER VIDEOであった。アメリカの事例を参考にしながら著作権法も整備され日本のレンタルビデオ業界は社会的地位を10年近くかかって獲得した。さて、そのCCCが注目し代理店契約を2年前に締結したのが、アメリカで急成長を遂げつつあるAirB&Bである。このシステムはFACEーBOOK等を通じて個人の宿泊施設所有者が個人宿泊客を獲得するという全く新しい宿泊予約斡旋システムである。このAirB&Bも御多分に漏れずホテル業法や賃貸借法、消防法等との整合性がなく今も訴訟の連続であると側聞している。しかし、既にこのシステムの登録部屋数は日本を含めて世界に広がり、大手ホテルチェーンの管理部屋数を凌ぐ勢いを今も堅持している。正に法整備が追い付かないグレーゾーンビジネスそのものであり、TSTAYAを筆頭とするレンタルビデオ店の揺籃期に似ている。だからこそCCCが注目したのだろうし、急増する外国人旅行者に対する宿泊施設不足が深刻化している日本で事業化できるか目が離せない新業態のベンチャービジネスでもある。

その他の辛旨トーク

Return Top