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辛旨トーク

タイ料理の旨味と日本料理の旨味の類似性

旨味という概念が世界への日本料理の普及によって注目されています。鰹節や昆布からとれるイノシン酸等が日本料理の旨味をより深いものにする事は三ツ星フランス料理シェフ達にも知られる様になって来ました。タイ料理の調味料として殆どの料理に使われるのがタタミイワシの内臓を発酵させて作られた発酵醤油 ナンプラー です。このナンプラーは東北地方の鍋料理に使われるショッツルと製造工程は似ていますが、日本ではショッツルを料理に多用する事はありません。また海老を発酵させて作ったペースト タイの調味料 カピ はコクを出す隠し味として、昔からフランス料理のシェフ等に重宝がられてきました。この様に タイ料理では 自然の力を借りて作られた様々な発酵調味料を使用することによって旨味とコクを出しています。 日本の料理はもう少し繊細で 乾燥シイタケ 昆布でも用途によって 羅臼 利尻 云々 と使い分けています。 味噌も白 金山寺 云々 と多様です。 しかしタイも日本も発酵調味料を多用している点は類似しています。どちらの国も先人が開発した多くの天然調味料がある点も類似しています。さて日本でもタイでも状況は似ている点が、石油から抽出した大量摂取は発癌性のあると言われている化学調味料を多用して疑似旨味と膨満感を出して料理を誤魔化しているレストランの多い事です。タイでは繁盛していない屋台(繁盛店では天然出汁を使ってもロスが無い)の飲食店は出汁を取る手間を省くために化学調味料を多用しています。日本でも一部の中華料理チェーン、丼料理チェーン、一部のラーメン店チェーンが化学調味料を多用しています。インスタント食品を食べ慣れている僕達の味覚もいつのまにか化学調味料に慣れてしまっているので、この危険で不味い筈の料理を美味しいと錯覚してしまいがちです。化学調味料アレルギーの僕は、極度に化学調味料に依存している料理に不幸にも出くわし胃袋に入れてしまうと消化不良による胸やけと片頭痛に襲われて数日、不愉快な日を過ごす羽目になります。 せっかく日本もタイも先人たちが開発した素晴らしい天然発酵調味料を持って居るんだから化学調味料の使用は少しだけに抑えて頂きたいと心から願うものです。

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