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辛旨トーク

オーガスタナショナルゴルフ場について

今年のマスターズトーナメントはマキロイの劇的優勝で幕を閉じました。僕は昔,本格的なチャンピオンシップゴルフ場を建設しようと計画していた時期がありました。実は僕の義兄に計画を潰されたのですが・・・そしてアメリカのNGF(ナショナルゴルフファンデーション)に単独乗り込み、いろいろな紹介状を書いてもらい普通の日本人では到底プレイする事の出来ない会員数50名のTheCuntoryCrubやオーガスタナショナルゴルフ場等10数か所のゴルフ場を訪問しゴルフの神髄に触れることが出来ました。マスターズトーナメントが行われるオーガスタナショナルゴルフ場は他のゴルフ場とはコンセプトが変わっていて、年に1回のマスターズトーナメントを行う様に設計、運営されています。ゴルフ場のメンバーは存在せずパトロンと呼ばれるトーナメント支援者とマスターズトーナメントのギャラリー(これもパトロンと呼ばれています)と世界へのTV放映権収入でゴルフ場の運営が行われています。ゴルフ場自体がスタジアムコンセプトという概念で観客が観戦しやすい様に設計されているのをはじめ報道陣が陣取るプレスセンターも立派な常設の建物が作られているトーナメント開催のためのゴルフ場です。ですから他の全米プロやPGAツアー等のビッグトーナメントは様々なゴルフ場で挙行されるのと異なりマスターズトーナメントは他のトーナメントとは別格のトーナメントと位置付けられている訳です。僕は特別にプレイさせてもらいましたがグリーンの速さとアンジュレーションの複雑さに驚いたものです。もう一つTheCuntoryCrubという個人経営の会員制ゴルフ場はオーナーの気に入ったメンバーしか入会できないという独断と偏見に満ちたゴルフ場でわずか50名強の会員しかいない、これぞ会員制ゴルフ場というものでした。(日本では会員数500名程度の関西のジャパンエースゴルフ場や東京のスリーハンドレッドゴルフ場位が会員数が少ないゴルフ場として有名でしたが会員数50名といううのはかなり特殊です)。ここでオーナーに教えて頂いた事が本来のゴルフの神髄でもあると悟ったものです。まず、何故か日本から来た若者を気に入ってくれてオーナーと2人でゴルフする事になりました。そして僕にはキャデイを3名つけてくれました。そこで僕は折角キャデイを3名もつけてくれたのだから日本でのキャデイの対応と同じ様に、クラブの選択方法やグリーンのアンジュレーションについて質問をしました。するとオーナーは突如怒り出しました。『SHIGERU!何のために俺は君に3名のキャデイをつけたか判っていないのか! 自分でコース設計者の意図を読み、自然の状況を分析して戦略を考えてプレイする事がゴルフの醍醐味なのに一番肝心の事をキャデイに聞いて何が楽しいんだ』との事。オーナーは僕が自分の力で思考し思い切って戦略を練りプレイする為にキャデイを3名わざわざ付けてくれていたのです。日本でゴルフをする時は同伴プレイヤーと各ホールでチョコレートを賭ける事が常態で、本来のゴルフを通じて戦略的に思考する事とか、自然を動物的感性で読むという事がおざなりで、キャデイにパッテイングラインを聞いてミスをしない様にしてセコーイ スコアだけの為のゴルフをしていたわけです。日本のゴルフプロが海外で松山プロを除いて殆ど通用しないのも、日本人と欧米人の体力差だけではなく、日本での常日頃のゴルフに向かう姿勢が目先のスコアに目が眩み海外のプロと比べて少し異なり、近視眼的で、結果的に戦略的、動物的な感性が磨かれていないのが原因の一つでは無いでしょうか?

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