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辛旨トーク

未知の予約でのとってもいい思い出

今まで主として未知のお客様予約の否定的な面ばかり述べて来たので、逆にいい思い出を述べようと思います。インターネット全盛の世の中で、クワンチャイの様な中堅レストランは、ホームページだけではなく食べログ、一休その他のネット媒体で重層的なウエブを張ることによってお客様の認知度が一気に高まる利点もあります。しかしながら、あくまで写真と露出度と評点等の第三者の視点を信用するしか判断の術が無く、やはり大型の団体予約をするには事前に店に行ってランチでも食べて料理とサービスのクオリテイを確認して頂くべきだと考えています。お客様と打ち合わせすることによって、好みや辛さの程度やお食事のスピードなんかも判りますので、パーテイの準備もしやすくなります。またクワンチャイではタイ料理のデリバリーをすることによって店に来られなくても料理の品質を判っていただける様にしています。僕がホームページ上で辛旨トークというブログを開設していますので、僕の人間性を信用して大型のケータリングを依頼して下さる太っ腹のお客様も居られます。さて飲食業をしていると思いがけない出会いがあったり発見があったりします。クワンチャイ三宮店をオープンしたころ、知名度が低く神戸港中突堤に集客のビラ配りをしに行っていました。その時、みすぼらしい服装の老夫婦A夫妻が岸壁を行ったり来たりしていました。世をはかなんで身投げでもするのでは無いかと無性に気になって、営業の事はそっちのけでバカ話をしながらA夫妻をお店にお招きして、食事代にも事欠いていると推測して温かい料理をサービスして若造のくせに命の尊さを語って、帰っていただきました。それから数日後、A夫妻から突然クワンチャイ三宮店に電話が入り、1名7500円で30名の団体予約を頂きました。僕は自分の耳を疑いました何とA夫婦は僕よりよっぽどお金持ちだったのです。そして『自分の愛娘の結婚前のパーテイをクワンチャイ三宮店で行いたい』と言うのです。港で行ったり来たりしていたのは『一人娘が東京に行ってしまうので寂しくて寂しくて身投げしようとも考えたけど、長谷川さんの言葉で元気になりました』との事。『娘と婿の晴れ舞台を心優しい長谷川さんに見てもらいたく思いました』と。本当に人は見かけによらないものだと思ったものです。この様にお客様と僕たちが様々な機会を通じて想像を超える心の触れ合いと感動を分かち合える事が飲食店経営の醍醐味だとも感じています。

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