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辛旨トーク

小池都知事の築地の食のアミューズメントパーク案を評価する

様々な局面で劇場型手法を繰り出し、政治を身近に感じさせる、やり手の小池東京都知事が遂に、築地・豊洲移転案を都議会選挙前に発表した。他の政党案と比べて数段進歩した案で、どっちつかずとか内容不明とかいうマスコミ評価や政敵の批判は不勉強の裏返しである。豊洲移転案は僕が考えていた豊洲仮移転案ではなかったが、本心は赤字垂れ流しの豊洲移転ではなく、豊洲仮移転で黒字の見込みのある米軍立川基地か米軍横田基地から5年を目途に空港を払下げ、そのそばに世界に伍す豊洲市場の5倍強の新物流センターを設けるという腹案も持っている筈だ。何故なら羽田空港や成田空港はすでにキャパオーバーで豊洲市場からの輸出入機能はさほど期待できないからだ。豊洲市場が100億円程度の赤字を垂れ流すという予測が出ているのは過剰投資のみが原因ではなく既に石原都知事時代に考えていた豊洲移転の発想が時代遅れだからだ。世界のマーケットで日本が仕切れるのは、高級牛肉・高級野菜・高級果実・高級鮮魚等 色々ある。この大型流通センターをコアにして世界市場をコントロールするのだ。丁度オランダが歴史的に球根市場を牛耳り、今は世界の花卉市場をけん引していると同じ様に・・・。頭の固い市場関係者には豊洲仮移転とでも言ったら大混乱するだろうからこの考えは伏せているのだろう。さて築地の食のアミューズメントパーク案は大賛成だ。僕はこのパークの中に3つの要素を組み込むべきだと考える。1つ目は消費者目線での食の品質管理検査機能設置である。日本の食管法は既に形骸化している。科学的知見で全ての食品の検査を行うべきである。現在は少人数の厚労省のOB機関が形式的に行っているだけで現在の遺伝子組み換え等の複雑な新商品開発、輸入食品や食品流通に対処出来ていない。国民の健康にかかわる大切な部分が形骸化している事は由々しき事態である。2番目は前回述べた食の学校設立だ。アメリカのCIA料理サービス学校やコーネル大学ホテル学科、タイのデユシタニカレッジ、フランスのルコルドンブルーを凌ぐ国営専門料理サービス学校の設置である。辻調理師専門学校や服部調理師学校など民間で頑張っている学校はあるが如何せん民営で体系的な学校とはなり得ない。日本政府が本気で日本食を世界に普及させようとしているなら尚更だ。菊乃井の当主や青柳の小山裕久氏に依存しているのではなく日本政府肝いりの日本食や日本酒、茶道、生け花も入れた総合的な日本料理サービスの殿堂を作る。もちろん洋食、フレンチ、イタリアン、中華、エスニックも組み込む食の総合大学の設置だ。収容生徒数は3000人程度の2年制で様々なコースを選択すれば4年程度の在校が必要となろう。外国からの受講者も多数見込め外貨獲得にもなる。この考えには学校新設に消極的な文部科学省も大賛成の筈だ。初代理事長は名門出身の前川前文部事務次官が適任だろう。3番目は食のテーマパークだ。既にイオンモールやララポート等が水面下で交渉を始めているだろうが僕の案はこうだ。江戸時代の歌舞伎場は庶民の娯楽の殿堂だった。幕間に弁当を食しながら演劇を鑑賞するというスタイルだ。これを現代に焼き直すと、3000人程度収容可能な大箱のシアターレストランを作り昼は歌舞伎等を鑑賞しながら夜は日本の歌手やエンターテイメントを観ながら食事をする。150人程度収容できるレストランを20店舗誘致。寿司・割烹・ステーキ・焼肉・洋食・フレンチ・中華・エスニック・イタリアン・地ビール園と様々なチョイスが出来る。ちょうどホテルのデイナーショーの大型版だ。所謂フードコートも併設し日本版ファストフードを競合させてもいい。温泉を掘削して大江戸温泉物語の大型版を設置してもいい。この場合はスーパー銭湯の設置と相成る。先日バンコク出張時に地元のパートナーに案内された大型ビアレストランは1000人程度収容でタイの歌手が出演して大盛況だった。日本では外国人観光客にも地方からのお上りさんにとっても最高の観光スポットになるだろう。さてこの築地食のアミューズメントパークの資金繰りだが日本の誇る大手商社なら喜んで投資する筈で、東京都は基本計画に数十億円出資するだけで殆どリスクはない筈だ。ただ築地の土地を売却して築地というブランドを消滅させ、ただ単に諸先生方が積み上げてきた豊洲への過剰投資の穴埋めをするという考えは無責任でお粗末に過ぎる。

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