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辛旨トーク

アヒルの水掻き  ICEBERG(氷山)

今晩はNU茶屋町出店準備の為に、会社の豊中倉庫と淀屋橋店を何遍も行ったり来たり。何故ならばNU茶屋町の商品・資材搬入可能時間は朝6時~10時に限られている為、夜の間にトラックに積み込み朝6時からNU茶屋町に搬入する必要があるからです。この作業を社員に頼むと昼間の業務に支障を来しますし、業者さんに依頼したら深夜料金を取られただでさえ出店予算が限られているのに予算オーバーになり経営が苦しくなるからです。ですから僕は老体(社員は誰も僕を老体と思わず絶倫と思っている様ですが違います)に鞭打って深夜の肉体労働をスポーツエクササイズとしてこなしています。さて驚いたことに淀屋橋店に来たら今日休みの筈の料理長のPさんが下ごしらえをしているではありませんか? Pさんは職人気質で美味しい料理でお客様に大層喜ばれているのですが、この様に見えないところで努力しているんだなーと感心しています。僕も最近でこそ一部のシャーベットは業者さんにレシピを渡して作って貰っていますが、数年前まではイタリア製のジェラートマシン4台を駆使して自宅でクワンチャイ全店のシャーベットを製造していました。何も知らない馬鹿なアルバイトは僕が寝るのも惜しんでシャーベットを作っているのを知らず、彼女や業者に作らせているとまことしやかに噂話をしていた模様です。当時はベットで寝ると熟睡してシャーベットが出来た後、容器に入れ忘れたりマシンのモーターが空回りして故障してしまうので板の間に寝て2時間ごとに起きて器械を回していたものです。その小さな積み重ねがクワンチャイの今に繋がっていると自負しています。さて余程の天才でない限り、我々凡人は人の見えない所で努力して、のほほんと生きている人との戦いに勝とうとしています。丁度、アヒルは悠然と泳いでいる様に見えるが、水の中では必死に足ヒレを動かして前に進んでいるのと同じだと思います。先日、馬鹿な取引先の人が僕達が前日夜から苦労して準備して来た料理を台無しにする愚行を犯しても全く気が付きませんでした。『群盲象をなでる』の諺通リ 馬鹿は普段も努力していないから少しだけ努力している人の事すら見えないのでしょう。さて仕事も人生も人間も外から見える外観よりもICEBERG(氷山)の様に見えない所が大きくありたいと思っています。それこそが人間の大きさであり会社の潜在的な力だと思います。最近は調理技術、いわゆる実力が伴わないのに、ネットやインスタグラムでの巧妙な宣伝ばかり駆使して集客している飲食店も多く見かけます。実力が無いのに大きく見せる、軽石の様なその生きざまには深みも、企業力も存在しません。世のインターネット関連事業者は虚像ばかりまき散らし、結果として、その虚像を見抜く力すらも、我々は無くしてしまっている様に思います。しかし虚像でただ大きく見せる軽石人生なんて何時、沈没してしまうかもしれません。小さく見えても氷山の様に深みのある企業になりたいものです。またそのICEBERG(氷山)を作るのは虚勢をはって大きく見せる孔雀ではなく、地道なアヒルの水掻きそのものしか無いのです。

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