Toggle

辛旨トーク

コロナ後を考える 13 ゴーストレストランとデリバリーの行く末

コロナ禍で我々飲食店は、時短営業や非接触という、楽しい場と美味しい料理を提供するという飲食業としての基本を放棄させられて来ました。その甲斐か山中教授の言うFACTER X あってか最近はコロナが一気に終息しそうな気配です。この2年間は従業員の雇用と店舗を、府や県からの補助金で何とか守って来たというのが実態でした。この間隙を縫って、急成長したのがゴーストレストランとデリバリービジネスです。まずゴーストレストランの行く末については苦し紛れに始めた店舗については、ゴースト 幽霊船のごとくほぼ消え去ると考えています。ゴーストレストランとはアメリカ特にカリフォルニア州で始まったマンションの1室か厨房だけの設備で3種類~5種類の異なったメニューを展開するもので、客席の償却費用がない分収益が上げやすいと考えられています。しかし殆どのゴーストレストラン加盟店はコロナ禍で店内営業が出来ないので結果として苦し紛れにデリバリー用の別ブランドで営業をしていたわけで、当然従来のイートインの店舗営業を始めれば本職を優先する事になります。結果としてコロナ禍の産物のゴーストレストランは収益性が低く煩雑な作業が多く、金食い虫の無用の長物になってしまいます。厨房設備のみの店舗や出店コストの少なかったゴーストレストランは存続し高収益ビジネスとなるでしょうが、あまたあるゴーストレストランの本部は儲かり、コロナの影響で目先の業態変更を行った、多くの加盟店は契約期間中は少ない利益を吸い取られる気の毒な状況に陥るでしょう。そもそも、同じフライヤーで唐揚げや天婦羅を揚げれば味が混ざって奇妙な料理になってしまいます。回転すしで食べるデザートが、あまりおいしくないのと同じ様に、料理の原則は旨みと味と盛付と香りなのに、このうちの半分の要素を放棄しては、いくらデリバリーが便利でも、無理があります。その上、接客好きの経営者にとってはお客様の顔が見えない、ただ単にあてがいぶちの製造工場と化した調理は苦痛そのものでしょう。デリバリーはUBERのみならず多くの業者が参入し、コロナで広がったリモートワークによる在宅勤務での出前需要があるので淘汰されながら、アメリカNO1のドアーダッシュも参入して、欧米並みの今の3倍程度に成長していくでしょう。ただし落ち着いた高級レストランと不特定の経歴不詳の配達員が出入りするデリバリーは相容れません。クワンチャイではこのコロナの教訓を受けて、デリバリーを行わない高級店。多彩なタイ料理のサブブランドを持つデリバリー強化店。リーズナブルに多様なタイ料理と自家製ジェラートを思い切り楽しむことができるブッフェ店へと、コンセプトを明確に分離変更し再出発できる様に取りくんでいます。またクワンチャイではコロナ禍に開発した様々なメニューやノウハウをフランチャイズという形で提供していきます。

その他の辛旨トーク

Return Top