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辛旨トーク

タイ料理の辛さにはHOTとSPICYの2つの意味がある

日本語には『辛い』という言葉しかないが、英語では(SPICY)と(HOT)という2つの意味がある。タイ語でも(フォーム)と(ペッ)という意味がある。この日本語の『辛い』に幻惑されて、日本人の多くはタイ料理はHOT=辛いと誤解されがちだ。しかしタイ料理の本質は、様々な香辛料を使ったSPICY=フォーム(いい香り)にあると考えている。店の売上データを分析すると所謂HOTな料理の売上比率は40%にも満たない。そのHOTな料理でも直截的なHOTな唐辛子が主張する韓国料理やメキシコ料理と違いタイ料理は唐辛子だけではなくレモングラス、タイ生姜、ホーリーバジル等のハーブの香りが相乗りしている。この辛い=HOTというタイ料理の俗説つまり誤解を解く事こそ日本での本当のタイ料理ブームが起こると考えている。昨今、タイでも行政の指導で徐々に屋台が減少し、フードコートが増えているが、その行政の指導の理由は屋台では電気も無く、食材の保冷が出来ないので食中毒の危険性があるからだとも言われている。その食中毒リスクを抑える役目が滅菌作用のあるHOTな唐辛子の濫用だ。だから貧乏バックパッカーとして旅行し、1杯15~30バーツ 今の貨幣価値だと50円から100円で1回食べられるタイの屋台料理を主食としてきた所謂タイ通の日本人は、滅菌用に使われた唐辛子の辛さに慣れて、これこそタイ料理だと思い込んでいる傾向もある。これも誤解の一因でもある。タイ料理=いい香りで刺激的でヘルシーという本質を、日本人にも理解していただきたいものだ。

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