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辛旨トーク

クワンチャイのなりわいについて PART2

まず再建を手掛けたタイ料理店Sですが、とにかくひどい経営状況でした。月商120万円そこそこでタイ人コックさん3人、日本人のホールスタッフ3人という陣容ですが給料は3か月くらい滞納。お取引先の全てが未払いの山で、ビルの家賃も広告宣伝費も全て滞納という壊滅的な状態でした。原因は明白。元経営者がタイ人の奥さんと始めたタイ料理店でしたが、経営者の私生活が乱れ、奥様との関係が悪く、タイ料理店Sは放漫経営の極みだったのです。そこで先ず従業員全員と面談。残念ながら日本人従業員全ては売り上げの私的利用がひどく(給料を貰えないから止む負えなかったかも知れませんが)若干の給与を払い全員退職していただきました。タイ人コックさんとは期限を3か月と決めて、その期間内に売り上げ3倍増になる様に努力して駄目だったら店を閉鎖すると宣言。死に物狂いでコックさんと共に南京町辺りまでビラ配りと呼び込みに繰り出しました。過去のお取引先には経緯を話し、今後の取引は正常化して支払うが、過去の債務は大幅にカットして頂く事で合意しました。10年以上たった今も当時のお取引先は継続しています。 とにかく余りの経営状況の悪さに、投資した300万円がオシャカになると覚悟したものです。とにかくお客様の呼び込みはコックさん1名のみ店に残して僕とタイ人コックさん2名を引き連れてチンドン屋よろしく町を練り歩きました。キャッチフレーズは『まずかったらお金を頂きません』というだけ。ビルの8階にあったレストランだけに呼び込みは必死でした。一度店に来て頂いたら、徹底してサービス。そしてお名前をお伺いしてご飲食された全てを記録に残しました。次回来られたら前回のご飲食を覚えていて別の料理をお勧めするという繰り返しでした。そして3か月後何と月商400万円弱になったのです。当然新規のアルバイトも新たに数名雇用する事が出来ました。スタッフ全員が必死になり美味しくリーズナブルなタイ料理を提供していたら絶対に成功すると確信したのもその時です。その時一緒に頑張ったタイ人コックさんがつけた僕のニックネームが『クワンチャイ』(ハートのある人気者のタイ語)だったと後で聞きました。

 

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