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辛旨トーク

クワンチャイのなりわいについてPART3

ビルの8階にあるSの再建はタイ人コックさんとの4人5脚によって一気に軌道に乗りましたが、ビルの8階で飲食ビルではなく商業ビル内という不利さは、常にお客様のハンテイングを継続しなければならないという難しさもあり、同時に同士だったタイ人コックさん3名の雇用を守る意味からも、新しい店舗をオープンすべくS再建の目途が立った翌年の春から店舗探しを始めました。そしてその年の6月に神戸市東灘区岡本でクワンチャイの第一号店を開店する運びになりました。結局東京でのワインと串揚げの店に投入すべく準備していた資金をクワンチャイ1号店につぎ込む事になったわけです。店舗探しの条件としては、Sの集客で苦労した事から路面店か悪くてもB1Fか商業ビル内の出店。人口増加の可能性のある場所。エスニック料理に対する理解がある地域。家賃が想定売り上げの15%以内に収まる(できれば10%以内)、席数は40席程度という前提で居ました。 クワンチャイ1号店の岡本店の集客はSの経験を踏襲して阪急岡本店駅前やJR摂津本山駅前でのハンテイングを徹底して行いました。開店当初は派手なプロモーションも行わずタイ人コックさんと僕の二人でのオペレーションだったので徐々に繁盛すれば良いという考えでした。3か月もすれば昼間は待ち時間が出来る程の繁盛でしたが、ある日突然、来客が止まりました。3日間は、お客様ゼロという惨憺たる状況になりました。正直あせりました。後でお客様から聞いたのですが、繁盛に甘えてスタッフ不足のままでお客様への料理のサーブが大きく遅れて、『あそこは待たせてばっかり』という悪評が蔓延していたそうです。僕は岡本店が終わってからSに行って集計する。そのあと仮眠して朝4時頃から中央市場で仕入れして、Sの開店準備をして岡本に移動するという過酷な日々を送っていましたのでタイ料理を始めて1年が過ぎてかなり疲れて来ていました。そこで数人の日本人スタッフを入れて倒れる前に少し楽になろうとしたわけです。そうしたら自然とお客様が戻って来られました。結果的にサービスの質を向上させた訳です。そして次の手として年末からは日本で初めてのタイ料理のデリバリーを開始しました。

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