タイ料理のデリバリーを始めましたが、初めての経験で失敗の連続でした。デリバリーを始めたのは2つの理由からです。1つはアメリカ生活が20年にわたる僕は、生来のパーテイ好きから家でホームパーテイを行うことが多く、タイ料理のデリバリーも頼んだことがありアメリカでは郊外店の売り上げの半分はデリバリーやケータリングであることを聞き及び、日本でもいずれはデリバリーが増えるだろうと読んでいたこと。もう一つはタイの首都バンコックは世界中で人口比で一番屋台が多くOL等は屋台で晩ご飯を購入して家で食べる習慣があり、タイ料理はテークアウトやデリバリーに向いている料理だろうと考えたからです。つまり炒め物や揚げ物の多いタイ料理は調理後数時間は衛生面でも雑菌の発生する可能性が少なくデリバリー向きだからです。タイ料理はデリバリーにマッチングしていたのですが、広告宣伝手法や配達時間の調整等々未知な事が多くお客様にも当初は大変な迷惑をおかけしました。時間遅れ、料理内容の間違い等々でお客様の怒りが収まらず1日に3回土下座した事もありました。また血の気の多かった僕は配達遅れの時にお客様に『だからタイ料理はいい加減な仕事しかできないんだから!』とタイ人を侮辱し罵倒された時は、自分の至らなさを反省せず『だったらタイ料理なんか頼まなくて結構と啖呵をきって』不本意ながら1万円を超えるお料理を持ち帰り、タイ人コック達とヤケ酒を飲みながら充てにして騒いだ事もありました。恥ずかしいことです。このデリバリーの失敗のノウハウは僕たちの大きな財産としてクワンチャイの基盤を支えています。お客様が外出を控えられていた鶏インフルエンザ事件の時なんか、店はガラガラなのにデリバリーの注文の嵐でクワンチャイの経営を支えてもらいました。クワンチャイの今後の成長と安定した経営にはイートインのお客様が多くて多忙の時でもやはりデリバリーは無理をしても続けるべきだと考えています。