最近、ある人に会ったことで世の中にどんなサービスが必要なんだろうか?と考える機会がありました。その人は某大手企業の若手営業マン。僕は人間好きが嵩じてクワンチャイの店頭に立って接客しているものですから、その時間に押し掛けて来られました。まだお客様が居られるのに、自社商品を売りつけようと必死です。その営業マンは料理の知識も殆どなく、僕のたまに出す知識のジャブにも無反応。何度も腕時計を見ても席を立つ気配なし。ただ自社製品の営業一筋。きっと会社では評価が高い人なんだろうと思いながら、なんて面白みの無い無神経な人なんだろうと呆れて対応していました。勿論、夜ですからお食事も頼まれて、お客様として来られていますから、あなた馬鹿ですか?と追い返す事もできず対応したまま無為な時間が過ぎ不愉快な気持ちのまま帰られる事になりました。 僕達は常にお客様とも、お取引先とも、お互いに思いやりを持って尊重しあい、尊敬しあい、愛情をもってお付き合いさせていただき存在しています。その社会常識という根幹部分が欠落している人や会社が最近は増えた気がします。インターネット全盛の時代ですから、顔を見ないで店の予約をして頂く事も多く有り難いのですが、突然、平気でキャンセルされるお客様もあります。所謂、おもいやり や 感謝 という人間の根源に関わる一番大切なものが、おざなりにされ勝ちな気がします。 便利さや効率や儲けが優先され、満足感や達成感が後回しになって行く寂しさを感じてしまいます。昨日DeNA社の比較検索サイトが突如休止に追い込まれました。何だか肩こりの原因がオバケが憑いているいる事があるという奇妙な説明を行ったり、火傷の対応を間違ったガイダンスをしたりという、お粗末なモノでしたが、もっと驚くのは、会社が情報の出元からバレ無い様にデータを捏造するする事を奨励していたというものでした。こんな社会常識が欠落している会社が日本のリーデイングカンパニーの一翼を担っているのですから、日本の文化的、社会的土壌が揺らぎ始めているのも頷けます。飲食業というサービス業を営んでいる僕たちは、あのAさんが今日、予約して来られるのでこういうサービスと料理を準備しよう! 前回はあの料理で喜ばれたので、今回はこの料理を提案しよう! という原始的な喜びを忘れてしまったら駄目だなと思っています。インターネット全盛の時代だからこそ感動のある、顔の見えるサービスに徹したいと考えています。
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