先日、ある有名な弁当の下請け会社Cの社長様と話しをしました。その内容には驚きました。先ずその製造価格と販売価格です。百貨店Aに入っているBというブランドをC社は孫請けしています。弁当の販売価格が1000円と仮定しましょう。先ずAが200円を手数料として取ります。Bが150円を名義料として取ります。つまり750円の値打ちしかないものを百貨店Aの名前とBというブランドを信じてお客様は購入します。この750円の原価は工場の償却費や人件費、材料費を含めて35%以内に抑えているという事なので総原価は262円50銭となり材料費はほぼ半額の130円程度では無いでしょうか?このC社の弁当はどう考えても最低の素材を使わざるを得ません。お客様はAとBの名前に騙されてスカタンの弁当を買ってしまっている訳です。これをプロの甲斐性と言ってしまえばそれだけですが、これでは400円のホカベンのほうがましかもしれません。百貨店の弁当の中にはお値打ち感のあるものや、ものすごく高品質のものもあるので、全てが怪しいとは考えませんが、我々消費者はあらゆるところに偽物が混在しているという事実を冷静に受け止めなければなりません。宣伝やブランド力やマスコミの過剰な取り上げ方や嘘にまみれた宣伝に惑わされてはなりません。さて僕が現在手掛けている高級弁当はお客様の手元に2160円で届けられるとすると以下の様になります。業者様が届けてくださる手数料や仲介業者様の宣伝費がかかっていますが、食材だけでもお客様が仮にご自身で購入して作られる場合2000円以上かかる高級食材を大量仕入れして何とか利益を出せる様にしています。だからお得感からリピーターが増えていると自負しています。一般論としては 安い価格=安い素材 が5割 高い価格=高級素材 が1割 というケースが標準的です。しかし高い価格×安い素材の店舗 が3割程度混在しています。所謂騙されてしまう店です。鋭い観察眼で宣伝や風評に騙されない事が涵養です。僕も世界中でミシェラン3つ星からジャンクフードまで食べ歩きを今まで5000軒以上行ってきましたが、大正解が精々2割、失敗と敗北感が3割 残り半分はまあま満足という構成でした。安い価格×高級素材が理想ですが、これでは店が成り立たないので 手ごろな価格×高級素材 1割 の店舗を理想としています。僕の様な考えの店に遭遇すればお客様は、絶対に得をします。
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