僕達の置かれている飲食業では営業店舗を構えるには保健所のチェックを受けて営業許可書を頂戴して初めて営業開始出来る。一方、路上で弁当販売を行ったり、インターネットで加工食品を販売するには、飲食店の基準より緩い、総菜製造業の許可が必要だ。僕たち飲食店の営業許可を保健所で発行して頂くには流しが何か所必要だとか戸棚には扉が必要だとか、かなり厳しいチェックを受ける必要がある。一方、総菜製造業はマンションの1室でも許可を取得できる。例えばインターネットで立派な写真を掲載してカレー専門店と標榜していても実態は流し一つに火口一つのワンルームマンションで製造してもばれない訳だ。実際、インターネットで加工済み食品を販売しているところの多くは架空 バーチャルの店舗としてイメージを売りにして商品を安価に販売することが出来る。その家内工業的なグレーゾーンの架空店舗のすそ野の上にインターネット架空商店街は成り立っている。だからクワンチャイ等の実態のある店舗はこのグレーゾーンの店舗の中では秀逸な商品を提供できるが、お客様にはなかなか判って頂けない。本来、架空商店街に出店している店舗は、従来からの営業店舗よりも食中毒や不純物混入のリスクが高いのだから保健所の検査基準は厳格にすべきだが、なかなかインターネットの急速な普及に法整備が追い付いていないのが実態である。但し僕達がお世話になっている高級弁当を販売代行して下さっているS社は、厳しい自己規制のもと、僕達より厳しい衛生管理基準を設けインターネットの便利さも駆使して弁当販売顧客や提供会社を開発されている。この自己規制の姿こそがインターネット時代に必要なのだろうが、ネット社会では法規制の網が未整備な間隙を縫っているグレーゾーンが存在しバーチャルで虚構の店舗を構えている怪しげな店舗も混ざって、いて玉石混合なので消費者は慎重にサプライヤーを選択しなければならない。
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