Toggle

辛旨トーク

JR西日本 トワイライトエクスプレス瑞鳳完成に思う

超高級観光列車『瑞鳳』をJR西日本がマスコミを使って完成お披露目している。構想10年、着工6年というビッグプロジェクトだ。列車1台全部を使ったスイートルームは2泊3日程度で一人料金100万円を超えるという超豪華版だ。日本では貧富の差の拡大を受けて富裕層を狙った超高級ホテル、豪華客船や豪華列車のプロジェクトが相次いでいる。それはマーケテイング戦略上も正しく、異論を唱える気はない。しかしながら僕はこの長いプロジェクトの期間にダブって考えてしまうJR西日本の負の部分がどうしても浮かんできてしまう。この贅沢なプロジェクトを進めている期間に、狂気の沙汰JR尼崎駅近くの暴走列車事故由来の裁判がJR西日本の経営陣を被告人とする裁判が行われていた訳だ。長い裁判の結果、法的にはJR西日本経営陣の過失は認められなかったものの、過酷な勤務評価制度とズサンな安全管理システムが引き起こしたと巷間言われている200名弱の死者と1000名近いPTSDを引きずる怪我人が生まれた、あの悲惨な事故の為に、多くの幸せな家庭が崩壊し、その心の傷と金銭的負担の為に苦しんでいる多くの善意の庶民にとっては、贅沢で金ぴかの『瑞鳳』のお披露目のニュースは苦痛でしかない筈だ。士気の低下したJR西日本の社員の鼓舞の為に必要だったプロジェクトと言えなくもない。然しながら、せめてマスコミお披露目の前に1か月程度の期間、JR西日本の贖罪としてあの事故の被害者家族を『瑞鳳』にご招待するとかの施策が取れなかったのかなーと首を傾げてしまう。このままでは無罪になったJR西日本の元経営陣は図々しく、優先的に特権のように『瑞鳳』に乗り込み楽しい列車の旅を送るんだろうなーと考えてしまう。ノー天気なマスコミ諸兄 少しは同時に尼崎列車暴走事故の被害家族の今を取り上げては? 良いニュースの陰で苦しんでいる庶民の実像を紹介する事こそが公器たるマスコミの職責では無いのか?

その他の辛旨トーク

Return Top