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辛旨トーク

路面の安売り弁当の是非について

クワンチャイ淀屋橋店では昨年末まで、周辺の安売り弁当に倣って500円でグリーンカレー弁当、鶏ガパオ弁当、蒸し鶏弁当を販売して好評を博していました。しかしどう企業努力しても、上質の食材を使うと原価が450円もかかり、人件費すら出ず、赤字が続きタイ料理のプロモーシヨン活動としての役目を終えたとしてお客様に惜しまれながら500円弁当を終了しました。しかし、オフィス街である淀屋橋周辺では300円~500円の激安弁当屋さんがオフィイスビルの軒先を借り、テントを立てて閉店せずに今も跋扈しています。仮に400円で弁当を売ると容器代も含めて原価50%として200円でどんな食材を使うか?と想像すると主として中国製の冷凍食品や化学調味料がふんだんに盛り込まれ、米は古古米でないと予算内に収まりません。製造場所は保健所の衛生基準の緩いワンルームマンションの厨房でしょうか?!。どうして衛生管理も悪い中身が劣悪な弁当が売れていくのか? これが今の日本の庶民の食環境の貧しさ厳しさを物語っているのでしょう。まだ発癌性が疑われる保存料がしこたま使われているコンビニ弁当の方が余程安全なのでしょうが、少しでも安価な弁当を買わざるを得ないサラリーマンの懐具合からしたら止む負えないのかも知れません。逆の見方をすれば、客単価400円~500円の安売りのMハンバーガー、S牛ドンなんかが日本のレストラン業のトップに君臨しているのですから、この価格帯の商品が日本の消費者に最も受け入れられていると言えるのかも知れません。タイ料理店のクワンチャイはタイ料理店の中ではリーズナブルな価格で美味しいという評判を頂いて右肩上がりの成長を遂げていますが、昼の平均客単価が1000円、夜が3000円ですから日本の食マーケットの中では精々5%位に位置する恵まれた環境に居るのかも知れません。安い弁当を不本意ながら毎日食べられているシビアなお客様にこそ、せめて月1回、いや年1回でも思い切ってクワンチャイで食事したいと思ってもらえたら本物に近ずいたと言えるのです。そして微力ながら、良い素材と健全な料理を企業努力でコストダウンを図ることで、今以上お客様に提供し、日本の荒れた貧困なフードビジネスを改善する事こそが僕達の使命なのでしょう。路面の劣悪な安売り弁当を反面教師にしてこそ僕達の未来がある。健全な料理を安価で提供するというミッションで社会に貢献する事こそクワンチャイの与えられた使命なのでしょう。

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