TVで様々なスーパードクターが紹介されていた。名医にかかるか藪医者にかかるかで人の生死や人生が変わる。ことほど左様に人によって結果が異なる。医者もそうなら調理人も同じだ。料理下手か料理上手かは雲泥の差だ。同じ金を払って天国に行くか地獄に行くかの差と相成る。僕達レストランを営む者にとっても『クワンチャイに行ったらタイ料理を見直した』『クワンチャイで食事をして仲直りした』『商談が上手く進んだ』『クワンチャイのタイ料理を食べて体調が改善した』等の評価を頂けるとスーパードクター程のご利益は無いもののレストランを経営していて良かったと充実感を感じ疲れも吹っ飛ぶ。さて僕の親戚は医者だらけだ。脳外科、眼科、耳鼻咽喉科、内科、歯医者・・・・数えあげればきりがない。みんなを集めたら総合病院が出来る程だ。本来僕は医者か科学者になるべく高校時代に理科系を専攻していたのだが手塚治虫のアニメに魅せられアニメーションクラブを設立し勉強はそっちのけでセル画ばかり描いて成績は学校でビリから2番目に凋落。止む負えず文科系の大学受験となったものだ。僕は幼少期、食い意地が嵩じて腐りかけたシュークリームを5個食べて冥途に行きかけた時にタマタマ西宮球場に来ていた日赤の副院長をしていた叔父が仁川の家に駆けつけてくれて一命を取り止めた。成人になった後も止せばいいのにプーケットで生牡蠣をたらふく食べて生死をさまよった。フランスでは毎年、生牡蠣を食べて数人はあの世に行くが危険な生牡蠣を自己責任で食べるという事でニュースにもならないが、日本では一度食中毒を起こせば食べた人に責任はなく店舗側の責任として廃業に立ち至る。だから自虐的な僕の食道楽はさておき、クワンチャイでは日本の厳格な食品衛生法に則り、衛生管理は町のレストランよりも余程徹底している。またタイ料理に使う様々なハーブ類 ガパオ タマリンド パクチー レモングラス・・・・は薬効の宝庫だ。医食同源の言葉通りクワンチャイのタイ料理はヘルシーで身体を活性化させる優れものだ。医者にはならなかったけれど僕は料理のスーパードクターになって多くの人を幸せにしたいと思う。