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辛旨トーク

総務省高級官僚の高額接待事件の遠因

またもや文春砲が炸裂している。30年ほど前の財務省高級官僚接待汚職問題で厳しく律せられた国家公務員の接待自粛規律が、いつの間にか、なし崩しとなり農林水産省だけではなく総務省でも高額接待事件が文春砲によって炸裂している。飲食店を経営している僕にとっては違法にならない高額飲食は大歓迎だし、親しい友人や異業種の人々と酒を交わし歓談する事は、視野を広めリフレッシュするには絶対必要な事だと考えている。しかし自粛自粛と叫ばれているコロナ禍の中で,過去のこととはいえ公僕たる国家公務員が業界のトップ達から高額接待を受けたというニュースは菅総理大臣のキャッチフレーズ『国民の為に働く』や『コロナに打ち勝つために自粛しよう』からはほど遠く、空虚に聞こえ誠にタイミングが悪い。監督官庁の長が監督下の代表者によって高額接待を受ける事自体が異常な上に、国会答弁でも高級官僚が平気で接待を否定する事が、この様な事が日常的に行われている事の証である。この接待は高級官僚は業界の社長から請求された一人5000円の参加費を払い、その20倍位の供応を受けていた訳で、これを接待では無く勉強会か意見交換の場と評していた訳で、どう考えても異常である。さて僕が元NHK会長S氏の秘書をしていた時に同じような事があった。全く利害関係があるとは思えない日本道路公団保有の温泉保養所にS氏と訪問した時、立派な部屋に通され、食事は和牛から伊勢海老から山海の珍味のフルコースだった。翌日請求書を多分1名安くても7~8万円と思い、恐る恐る覗くと何と1名あたり5000円であった。今回のNTT接待とほぼ同じであった。上には上、闇の世界があるものだと感心したり驚いたりしたものだ。多分、全ての業界で全ての官庁でこんな風習が残っているのではないだろうか? さてこの様な異常な供応がルーテイン化されている背景があると思う。総理大臣や有能な議員や高級官僚は能力と権力があるにもかかわらず収入が監督下の業界の長と比べて10分の一程度と、異常に抑えられている為この様ないびつな状況が創出されている。全ての公務員の給料を上げろとは言わないが権力や地位を持つ人には供応や賄賂に屈さない収入を与えるべきだ。国家を動かしているのだから金銭欲を抑えろというのは時代遅れの妄言だ。いびつなインチキ接待を認めざるを得ないのは高級官僚の所得が少なすぎるからだ。一方,一部の有能な国会議員を除いて能力以上に高額な歳費や給与を貰っている国会議員の諸先生を同じ様に接待している事は逆に許されるものでは無い。族議員を通じて官僚に圧力をかけてもらうという構図は供応そのもので、勉強会と称する国民を無視した馴れ合い政治そのものだ。民営化した各種会社は全てこの様なインチキ供応の為の会員制レストランや保養所を持って居て、大社長や接待要員が日夜,供応を繰り返しているのだろう。嗚呼。

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