アメリカ在住時代はコストコの前身のプライスクラブをよく利用したものだ。1980年代にサンデイエゴの飛行場の格納庫で開始された現コストコは、ダイエー創業者の中内功氏にも注目され神戸でビッグAというボックスストアを開始したが、ダイエーの凋落とともに消滅した。一方コストコはその勢力を世界に広め(中国ではルール違反の国民性から開店翌日に閉鎖と相成ったが)今では世界中に800店舗、日本では30店舗、総売上20兆円、日本売上6000億円という巨人に成長した。一方、日本では食品卸最王手、年商4000億円のトーホーがAプライスという店舗名でプロ用食材スーパーを開始して2000年初頭まで躍進して来たが100店舗程度の店舗数売上1500億円位から一進一退で伸び悩んでいる。遅れる事5年。神戸物産率いる業務スーパーがフランチャイズシステムをてこに小型ボックスストアとして急成長し現在は1000店舗弱、年商3500億円超えで推移している。僕はこの3店舗を効率よく利用させてもらっている。業務スーパーとコストコの強みはTV等のマスメデイアが無料で取材してくれ、それに派生してネット上でも販売食材の調理法等が好事家達によって無尽蔵に垂れ流されている事だろう。これら宣伝効果は両店舗の商いの10%を宣伝費にかける以上の効果がある。一方Aプライスは業務スーパーやコストコと比べ専門店色が強く、価格も破壊的には安くなくマスコミが飛びつかないので損をしている。品そろえに関してはAプライスが1番多く、2番目は衣類や家具、日用品も置いているコストコ。3番目は業務スーパーである。仕入先に関してはコストコ、業務スーパー共に世界から輸入しており、特にハラルフードに関しては業務スーパーが揃っている。業務スーパーは安さを売り物にしているだけあって中国産の食材も多く、怪しげな商品も混ざっている(私見です)ので選別が必要だ。また生鮮食品に関しては地元の卸小売店をサブテナントとして招聘している模様で鮮度、価格共に優れている。コストコは冷凍の利く肉、鮮魚は価格、品質的に優れているが、野菜、フルーツに関しては首をかしげる商品も混ざっている。Aプライスは価格的には少し割高だが、仕入先も厳選され外れは少ない。さて今後10年の3店舗であるが、やはりネット社会の成長を抜きには予測できない。多品種少量販売のAプライスはネット販売に向いているので、店舗数は減少していくだろうが販売額は2000億円位に増加していく可能性がある。業務スーパーは小型店の統廃合や空白地域の出店を進めていけば店舗数2000で、売上は今の倍増7000億円位に成長していきそうだ。但し怪しげな商品を輸入販売してトラブルを起こさないことに注意が肝要だろう。コストコは大型店舗故に立地選定が難しく40店舗位が出店の限界だろう。今後はネット販売も含めて売上1兆円超えを目指していくのだろう。
その他の辛旨トーク
- 2023年4月21日MAKUAKE にてクワンチャイのミールキットをクラウドファンデイングで販売開始
- 2023年4月8日タイ料理を科学し簡略化する
- 2023年3月3日タイ料理調理システムのマンダリンオリエンタルホテル方式への改革
- 2022年11月26日フランチャイズシステムいよいよ始動
- 2022年11月9日ビュッフェ料理店を閉店しました
- 2022年9月30日ビュッフェ料理の限界と挑戦
- 2022年9月4日タイ料理の辛さにはHOTとSPICYの2つの意味がある
- 2022年8月16日クワンチャイは全店タイセレクト
- 2022年8月15日クワンチャイのマンゴラッシー
- 2022年8月10日僕が学んだタイ マンダリンオリエンタルホテル調理学校