小泉総理時代に生まれたもの、所謂小泉改革の一つが郵政民営化を始めとする規制緩和、もう一つがいわゆる緑のオッサン、正式には駐車監視員を始めとする公務員の再就職先を量産した規制改革という名の政治家の巧妙な役人の懐柔策だ。この二つの政策は国民に便宜をもたらした半面、その政策が中途半端だった為に多くの弊害を今も国民に投げかけている。例えば、郵政改革。民営化という指針の元で地方郵便局は急激に自由競争の波に晒され、結果として郵便局員の質の低下を招いてしまった。また国際的な審査能力が乏しいのにもかかわらずオーストラリアで数千億円もの会社を買収し数千億円もの損失を出してしまった。(当時の責任者はアメリカのウエステイングハウス社を買収して東芝を瀕死の状態に追い込んだと同一人物)民営化が完了していない今、この数千億円の損失は国民の損失そのものだ。また規制緩和の名のもとに観光バス会社の認可基準を緩めた為に、ツアー料金は大幅に値下がりして国民は得した様に見える。しかし極端な価格競争に晒された観光バス会社は無理な運送計画をたてて過労による事故が頻発し多くの貴重な生命が失われた。公務員である緑のオッサンに隙を見て切符を切られて嫌な思いをしているドライバーは枚挙にいとまが無いだろう。クワンチャイの社員も泣く泣く15,000円也の反則金を払わされているケースは年間10件を下らないだろう。何も不法駐車を是とする気はさらさら無いが、取り締まりを強化して駐禁を減らすだけでは片手落ちで庶民虐めだ。取り締まりを強化するならもっと駐車スペースを増やす工夫をすべきだ。例えば1時間300円也の路上パーキング。どうして繁華街で夜8時までしか使用できないのか。夜8時半になれば反則切符のオンパレード、緑のオッサンにとっては好漁場が登場する。繁華街だと夜12時迄でも十分利用者がいる筈だ。これだけで4時間×300円=1200円也の別途収入が入ってくる。『取り締まる担当が違う、労働時間が延びて非効率だ』と緑のオッサンは言うだろうが、国民福祉を目的とした組織とシステムの縦断的な改革こそが国民の望むところだ。他にもマダマダ路上パーキングを増やす余地は多い。例えば平日混雑するオフィス街では、週末のみ路上パーキングを作っても良い。丸の内あたりに週末路上パーキングを設ければ、有楽町や銀座の駐車場不足も解消される。週末のみ混雑する繁華街やショッピングモールでは平日のみ路上パーキングを増やしても良いだろう。この様に緑のオッサンを使い駐車取り締まりを強化するなら別途駐車場を増やす施策も必要だ。総合的な面での改革こそが実効性を持つ。点での改革では小泉改悪と呼ばれても仕方ない。さて小泉改革の本当の本丸は『自民党をぶっ壊す』ではなく『官僚システムをぶっ壊す』つまり日本の地方公務員を底辺とし高級官僚達を頂点とする閉塞した官僚組織の柔軟化だったはずだ。規制緩和も規制改革も大賛成だが、確かな人材確保・育成と国家の明確なビジョンときめ細やかな行政指導無くしては、却って混乱を招くという悪い事例がアラユル所で今も続いている。
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