お陰様で、クワンチャイ タイ食堂は連日大盛況です。しかし異常な食べ残しや使いもしないのに大量のオシボリを取られる心無いお客様も垣間見え、スタッフが心を痛める事もあります。ある日、僕が遅出で出勤したら、コック出身のスタッフが、至る所に『食べ残し禁止』の貼り紙を貼っていました。そのスタッフはあろうことか、その貼り紙の効能を自慢していましたが、僕は釈然としませんでした。一日経過後、熟慮の末に、その貼り紙を僕は全て取り除きました。理由は2つあります。一つは善良なお客様から厳しいお叱りのメールを頂いた事。そしてもう一つは、この『食べ残し禁止』の貼り紙は僕の今までの飲食業との関わりのスタンスからすれば正反対の極めて不遜な表記だと反省した事です。コック出身のスタッフからすれば、心を込めて調理した料理が一部の心無いお客様の元で無造作に大量に残っている事態に義憤を感じたともとれます。しかし、①クワンチャイ タイ食堂にお越しの殆どのお客様は殆ど料理を完食され、『美味しかった、また来ます』とおっしゃっている事。②料理を残される場合、お口に合わない料理や辛すぎる料理を取ってしまい止む負えず残されるケースもあるのでは無いかという疑問。③お客様に料理の特徴や辛さを充分お知らせする努力を行っていないのでは無いかという疑問。④今までの経験から、どの様なお料理を提供しても、どの様に『食べ残し禁止』の貼り紙をしても、少しだらしないお客様は汚い食べ残しをされてしまう事。⑤中国人の様に多数の料理を食い散らかす事が料理を高く評価する事だと考えられているケースもある事。これらの5つの要素を充分検討しないで『食べ残し禁止』との貼り紙をお客様に押し付ける事は、クワンチャイの『お客様性善説』にもとずく成長エンジンからは明らかに逆行しています。逆に『食べ残し禁止』を貼らなくても良い様に、もっともっと良質のお客様に来店いただき、好みと違う誤った料理を取られない様に充分に説明を尽くす努力をするべきだと考えています。食べっぷりの悪い、だらしないお客様がクワンチャイ タイ食堂での殆どのお客様の綺麗な食べ方を垣間見て、今までの行動を恥じ入り、その食べ方を矯正出来れば、飽食の時代の社会貢献にすらなるのでは無いかと考えています。僕はそれから、無意味な食べ残しを発生させない様に『食べ残し禁止』の貼り紙を取り除くと同時に、大きすぎる丼の数を減らして大量の小鉢を備え付ける様にしました。お客様を性悪説で捉えるのではなく、お客様に寄り添う事こそクワンチャイの生きる道ですから。
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