クワンチャイでは外国人スタッフやアルバイトさんも含めて150人以上の人が働いています。人材不足の折、今後はもっともっと留学生や高齢者等、今まで受け入れて来なかったスタッフを採用する必要があります。僕は採用の基準として、飲食店の就業経験よりも人間としての誠実さと笑顔が基本だと考えています。いくら飲食業の経験が豊富で客あしらいが上手だと自負しているスタッフでも、無表情の怖い顔をして接客業をしていたら全てが台無しです。先日退社したスタッフが居ましたが、やはり飲食業経験が豊富でレジの扱いが早い事を自負していましたが、お客様や同僚からの評価は芳しくありませんでした。人材流動化の昨今、居酒屋やファストフード店での就業経験が豊富なアルバイトさんがクワンチャイでも働いて呉れていますが、押しなべてマニュアル依存体質で、サービス業で一番大切な誠実さと笑顔を失っている人が相対的に多い気がします。例えば飲み放題でワインを出すときに、何杯もお代わりされていたら、わざわざメジャーで測量して出さなくても多い目に注いで出せばお客様も喜ばれ、サービスの回数が少なくて済むのに、旧型のロボットの様に思考中枢を失ったまま手間をかけて測量してワイングラスに注いでいます(ワインの酸化が進むのでこの手法はもともとダメです)。お客様がビールを複数注文されて乾杯を早くしたがる状況なのに、POSレジの紙に消込する事を優先してサービスが遅れる事が当たり前になっています(実はこのクワンチャイのPOSレジシステムは僕とTECとで来日直後のタイ人コックでも注文が判る様にと共同開発したものです。効率追求やお馬鹿さんの忘備録の為にレジを導入した訳ではありません)。仮に担当のお客様が10人だとしたら、その各々のお客様に何を提供したか位は、中卒程度の学力があれば、覚えていて当たり前なのにPOSレジの紙に消込する事ばかり考えて、お客様の満足を後回しにしてしまうサービス業の感性を失ったスタッフ達。これは丁度、簡単な計算すら暗算で出来なくて電卓に依存してしまうのと同じだと考えています。このサービス業の本質を忘れた悪しき習性はファストフード のマクドナルド等のマニュアルの流れを汲んだ居酒屋のマニュアルをサービス業のバイブルと錯覚した上司に誤って叩き込まれた結果生まれてしまったのでしょうか。果ては無知なアルバイトさんはサービス業の裏も表も知り尽くし、POSレジの効能と限界を社内で一番知っている、マスターオブワイン協会の初代日本責任者でソムリエ君達を教えていた僕に、『社長はどうしてPOSレジの紙に消込しないのですか、ワインを出すときは測量しないのですか、しっかりしてください』と怖い顔で忠言してくる始末です?! 嗚呼!この可哀そうな厚顔無恥さん。 昨今、居酒屋やファストフードの凋落が言われていますが、その原因は人間関係や温かみを失ったマニュアル重視人間が主流になり、飲食店に癒しを求めるお客様の心が離れてしまった結果では無いかと考えています。アメリカ生まれの目先の効率重視の安っぽいマニュアルを順守する事は、人間関係の希薄なファストフードにのみ必要です。POSレジは利用するもので顧客目線を後回しにしてPOSレジのシステムに振り回されたら本末転倒です。クワンチャイのスタッフ全員は本当に大切なのは顧客目線に立った、誠実さと笑顔を持った接客である事を肝に銘じて頂きたいものです。
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