昨年の政府の中小酒卸店保護という時代錯誤の方針により、世界水準と比較して、ただでさえ割高な日本のアルコール飲料の仕入れ原価が上昇し、僕達、飲食業を苦しめている。長い間、欧米で生活して来た僕にとっては、庶民の数少ない憩いの元であるビール等のアルコール飲料の日本での販売価格の高さは常軌を逸していると考えさせられてしまう。単純比較するとアサヒスーパードライ350ml缶が日本の安売り屋さんで消費税別で185円。一方アメリカでバドワイザー350ml缶がスーパーで50セント つまり53円。タイのスーパーでシンハービール350ml缶が35バーツ つまり120円。その価格差は何処から来ているのだろうか? ズバリ酒税と日本の製造メーカーの広告宣伝費と流通コストが高すぎる事が販売価格に跳ね返っているのだろう。庶民の楽しみは安価な発泡酒を飲む事なのだが、そこにも新しい課税を掛けようと政府は考えているのだから我々庶民は大変だ。その抑圧された反動としてインターネット広告会社等に煽られて過当競争に陥入っているクワンチャイを始めとする居酒屋や飲食店でたたき売りされる利益無視の無毛な飲み放題キャンペーンに庶民は引きずり込まれるという負の連鎖が起こっている。勿論クワンチャイの飲み放題は生ビールはアサヒスーパードライかサッポロ黒ラベルだしウイスキーはブラックニッカを使い、一切品質を落とさず、お客様に喜んで頂いている。しかし悪質な飲食店も潜んでいるし、酒に溺れるお客様も居られるので要注意だ。酒豪が飲み放題で得をするのは、良い飲み放題 普段の抑圧された状況から柄でも無く、羽目を外す飲み放題は 悪い飲み放題。 そして悪徳居酒屋や飲食店は利益を確保しようと生ビールは発泡酒で代用しハイボールのウイスキーは妖しいエチルアルコール入りのカストリウイスキーを忍び込ませる。焼酎も中国で生産された粗悪品を使いワインは亜硫酸塩という防腐剤を大量に使用。そんなところで飲み放題を楽しもうものなら翌日は強烈な二日酔いに悩まされる事 必定。これは悪い飲み放題の典型。もう一つ、店の飲み放題システムを使い様々な未体験のカクテルやワインを賢く楽しむのは良い飲み放題と言えよう。僕が店に入る時は飲み放題といえども、お客様と相談しながら様々なカクテルを提供している。しかし一番健全なのは、お酒の販売価格が世界標準並みに値下げされ、庶民が嗜好に合わせてお酒を適量を愉しむこと事だろう。 飲み放題なる悪しき市場競争は飲食店を疲弊させ、庶民の胃袋を疲弊させる不毛の競争であると理解し、正常な酒類価格になるまでは飲み放題も行いつつ、お客様も飲食店も健全な立ち位置を考えながらお酒を愉しみたいものである。
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