タイ料理店クワンチャイを創業して、10数年が経過しました。創業当時は日本中で400店舗しか無かったタイ料理店が今では2000店舗にまで増加しましたが、全飲食店総数40万店舗と仮定すると未だ0.5%の市場にしか過ぎないニッチマーケットにしか過ぎません。イタリア料理はサイゼリアやカプリチョウザやピザ宅配チェーンの頑張りもあり12000店舗以上ある事と比べると、いまだタイ料理は草創期にあるといえます。いまでも辛くてエグイという先入観でお客様が見られているケースも多く、クワンチャイは常に集客に苦労してきました。そこで僕が手掛けて来た事 それはタイ料理に対する既成概念や垣根を取り除く事でした。今では日本料理がフランス料理のフォアグラを使い、フランス料理が旨味を生かす為に鰹節や昆布だしを使っています。回転寿司では寿司ネタに工夫を凝らし焼肉やフルーツを盛り付ける事をしています。これらは全てお客様のほうを見て既成概念を打破し各国料理の垣根を取り除く行動に他ありません。例えば10年前に『タイ餃子』なるものを僕が考案しました。具材にタイハーブを入れ衣にウコンを練り込んだヘルシー餃子です。当時タイ人コックさん達は猛反対。『タイでは焼き餃子が無いから嫌だ』との事。しかし僕は、お客様にタイのハーブやタイ料理を身近に感じて頂こうと強行にメニューに導入しました。しかしこの商品は大ヒットして、今もクワンチャイの定番メニューになっていますし、大阪王将がタイに5年前位に出店して焼き餃子を販売し大人気の模様です。事ほど左様に、お客様目線で料理の垣根を取り除く事こそが成長の秘訣だと僕は信じています。この地道な垣根除去の努力が将来タイ料理がニッチ料理からメジャー料理に転身できる鍵だと信じています。