神戸大学 岩田健太郎教授のダイヤモンドプリンセス号(以降DP号)内部の衛生管理の悪さに対する告発等を見て、日本の厚生労働大臣・厚生労働省を頂点とする官僚システムに危機管理に対する対応能力に疑問が投げかけられている。確かに一理ある。未知の疾病に対して最終的にはDP号の責任であるにも拘らず善意で日本政府は対応したわけで責められる責任はない。日本の官僚は優秀であるが危機対応能力に欠けていた点は反省して今後に生かせばいい。最大の問題は船での責任は旗艦主義⇒船籍を持つ国の治外法権が生きる。という原則のわりにDP号の船長の責任能力・危機管理能力の無さ(新型コロナウイルス感染者が船内に居るだろうと発表されても数日間は通常のパーテイを続行していた)と親会社カーニバルクルーズ社⇒100隻以上の大型クルーズ船を有する世界最大のクルーズ会社。の対応能力の無さ。による船内感染の拡大である。世界最大のクルーズ会社が親会社のわりにDP号の衛生管理はお粗末に尽きる。船内感染が結果的に蔓延したことから船長を含めた1000人を超えるクルー達の衛生管理意識はお粗末であったと批判されても仕方ない。数名の医者がクルーとしてDP号には乗船していただろうが全く効果的な対応を指示出来ていない。仮にノロウイルス等の感染者が船内で露見した場合でも正しい対応ができたとは到底思えない。アメリカではカーニバルクルーズ社の船舶が海上に汚染物を不法投棄したとして訴えられている。この様な行儀の悪い会社が世界最大のクルーズ会社ということも嘆かわしい限りである。最近のクルーズブームに乗って、大手のクルーズ会社が人件費の安い東南アジアクルーの人海戦術と豪華船舶のセットで高額な商品を売り出し急成長してきたわけである。サービス業の基本であるお客様の安全と衛生管理を軽んじて基本を怠ってきた訳である。我々はこの様な虚像に惑わされる事なく、真のサービス業や心のこもったおもてなしに専念していきたいものだ。