僕が、タイの最高峰ホテル マンダリンオリエンタルホテルで調理実習を受けたレシピをいよいよ再現する時が来ました。今までは、タイバーツと日本円との貨幣価値の差で、優秀なタイ人コックの雇用が可能でしたが、円安の今、本当に実力のあるタイ人コックを日本で雇用する事は物理的に不可能になって来て居ます。タイ料理の調理技法は3種類あります。1つ目が、タイ料理の神髄を極め、口の肥えたお客様に対応する『マンダリンオリエンタル方式』 2つ目が、日本の辻調を凌ぐ規模の調理学校を運営する、老舗のデユシタニホテルが母体になって居る、調理サービス専門学校『デユシタニカレッジ方式』 3つ目が マンゴツリー等が生まれたタイ庶民文化のルーツである『屋台料理方式』です。今までタイ人コックをクワンチャイでは数十人雇用して来ましたが、コックさん達の技法や調理方式、知識は8割がタイハーブや素材の良さを生かすことが出来ない化学調味料とタイ調味料に依存する『屋台料理方式』で、2割がホテルなどの経験豊富な下ごしらえとシステム思考が出来る『デユシタニカレッジ方式』でした。残念ながら『マンダリンオリエンタル方式』のコックさんに遭遇したことはありません。たまたま関西の某タイレストランで食事をしたときに出身ホテルを聞いたら、マンダリンオリエンタルホテル出身だと聞いて、様々な料理を注文したのですが、ガッカリの連続でした。怪訝に思いマンダリンオリエンタルホテルでの勤務職種を聞いたらドアボーイ5年、ポーター5年という経歴で、調理経験ゼロ。しかしながら日本でビザ取得するときはホテルのレターヘッドに10年以上のマンダリンオリエンタルホテルでの経歴を詐称してビザを獲得したとの事でした。こんなエセコックさんばかりではありませんが、そろそろ日本のお客様も『タイ料理=タイ人が調理した方が美味しい』という妄信から抜け出し、僕の主導するマンダリンオリエンタルホテル仕込みのクワンチャイの提供する本当の美味しさを判って頂きたいものです。
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