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辛旨トーク

飲食店経営上の悩みの3ツ

悲しいことに、多数のアルバイトやスタッフを雇用していると、数名の不心得者が紛れ込んでくる事があります。この不心得者を早めに発見しないと会社崩壊の危険性があります。 不心得者にも様々な種類があります。 区分けすると①お客様に対するサービス精神が欠落している者 ②衛生管理意識が欠落している者 ③金銭・労務管理がルーズな者 に大きく分かれます。 ①のサービス精神が欠落している者 とは、基本的にはサービス産業で働くべきでは無いと思います。 サービス業に従事するとは、お客様の喜び、満足を優先して常に誠意を持って働く事を意味します。ですから、仕事を早くこなす事や大きな声を出す事も大事ですが、先ず臨機応変にお客様の気持ちに寄り添う事が基本で、会社のマニュアルの本質を理解しないで、表面的なマニュアル解釈でサービスの質や内容を決定する事は良くないと考えています。先般、大雨が降っていた朝、打ち合わせの為に10時開店の有名Aファミレスに9時50分位に到着して、雨がひどくずぶぬれになるので開店前だけれど入店させてくれないかと懇願したのですが、スタッフは店長とおぼしき男性と相談して、薄ら笑いを浮かべて『当店は10時以前の入店はお断りしています』と入店拒否をされました。そこで隣接する少し小さめの11時開店のチェーン店に入店をお願いすると『お料理は出せませんがドーゾ』とにこやかに向かい入れてくれました。爾来、そのAファミレスには一切入らないようにしています。飲食店は料理を提供する前に心の通ったサービス業であるという本質を忘れてはならないと考えています。②の衛生管理意識も非常に重要です。ノロウイルスや様々なウイルスや病原菌が蔓延している今、一人の衛生管理意識不足のスタッフが居るだけで食中毒事件を起こしたら、事件を起こした店舗だけではなくグループ店舗も崩壊します。生野菜と肉と同じまな板や包丁を使うことは当然ながら厳禁ですし、店舗終了後の後かたずけを中途半端にしておくとゴキブリやひどいときは鼠が走り回る店舗になってしまいます。昔、神戸南京町でクワンチャイを経営していた時、鼠とゴキブリ駆除に家賃と同じ位の経費を掛けていたのですが、一向に鼠駆除がはかどらず、店舗継続を断念したことがあります。生野菜を多用するタイ料理は野菜でも殆ど火を通す中華料理とは異なり衛生管理は生命線だからです。当時、鼠駆除会社に聞いたところ『中華街の下の下水には鼠のゲットーがあり中華料理店が下水に流す生ごみを食べて10万匹以上の鼠がいるので、クワンチャイがいくら頑張っても限界がある』との事でした。③の金銭・労務管理は会社の生命線です。優れた店長はアルバイトやコックさんからも一目置かれる存在でなければなりません。その基本は自分に厳しく、部下には優しいという事につきます。嫌な事を部下に押し付けたり、肝心な事を相談しても的確な答えが出せない人は人の上に立つことは出来ません。金銭管理は一番大切ですが悩ましい事です。レジ締めを行う時にお金が合わない時ほど悲しく、焦るときはありません。多くのスタッフを抱えると、中には癖の悪いバイトや社員も紛れ込んできます。ある気の優しいB店長君がCさんというアルバイトが入るといつも数千円お金が合わないのに内緒で自己負担で穴埋めをしていました。一度、僕がヘルプでその店に入った時にCさんの挙動がおかしいので閉店後B君に問いただしたら、『Cさんがバイトしたらお金が合わないんだが私の管理能力が悪いと考えて補填をしていました』との事。 これは美談ではありません。問題と危険を先送りしていただけです。後日Cさんと話をしたところプー太郎の彼氏が最近出来て金を貢いでいるとの事で残念ながら退社して頂きました。金銭管理は難しいですが厳正に対応しないと大けがをしてしまいます。僕も何度も人間的な弱さから対処が遅れたことがあります。要注意です。

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